学生から医者への意識変化

腫瘍血液内科 一週目最終日

鈴宮先生のレクチャーより。

 

「とか」って言葉を使うな。曖昧な言葉を使う医者が信用されるわけがない。

その人の体という一番大事なものについて話しているとき、ましてや生きるか死ぬかという状況を扱うときに、曖昧な言葉は使っちゃいけない。

明確にした基準を勉強して、その上で患者さんと話しなさい。

薬何グラムいれる? 500mgとかかな?なんてありえんだろう。適当な知識で答えるよりかは、何も知らない方がましだ。

 

診察をする。ということは病名をつけるということだ。けっしてOSCEのまねをすることじゃない。

どこでなにが起こってそれでどうなっているのか。臓器と病態を特定する理屈を考える。その理屈が通ってるのかを、問診やら身体診察やら、その他検査で理屈を確認していくんだ。自分の中で理屈が通ってないことをするな。

この臓器ならこういう症状がでる。この症状ならこんな病態が考えられる。というのをたくさん勉強して覚えていかなくちゃいけない。

 

今まで勉強した数値や症状をもっとリアルに感じなさい。呼吸数20回かぁ~じゃなくて。3秒に1回息してみろ、しんどいぞ。これで患者の様子を考えられないような医者になるな。

先生がやってるような素早い最低限のスクリーニング身体診察じゃなくて、臆することなく最大限に時間を使って診察をおこないなさい。ていねいに、時間をかけて。教育機関として同意をもらってるんだから、一人の患者さんからたくさんのことを学ばないといけない。

こういうときは血培とる。この人にはステロイド入れる。などのただの知識をリアルに落とし込んでほしい。血培はどうやってとるの?何個とるの?ステロイドはどんな方法でどの量をいれるの?って勉強しながら実習を回ってね。

なんでこの診察をしたのか。この診察の特異度や感度は?って考えながらやるのが大事だよ。

 

患者さんと対峙したとき、医者は必ず「治す」ことを考えてね。

当たり前のことだと思うけど、患者さんが治療拒否したからといって簡単にそうですかなんて言ってはいけない。治せる可能性があるのなら、治していきましょうという風に患者さんを持って行ってあげることも大切なんだ。

85歳だし、この病気治すのは大変だし、本人も治す気ないからいいや。じゃない。

この病気を治さなければどういう苦しみかたで死ぬのか。治ったらあと何年生きることができるのか。こういうのが想像できるのも医者なんだから、患者があきらめたからって簡単に医者があきらめていいわけがない。

自分のことだったら必死こいて文献漁ったり、病気に詳しい病院の先生に電話したり色々するだろ?同じ事をちゃんとやるんだ。

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医学生って本当に知識だけ(ないことのほうが多い)の人が多いし、実際に人と関わらないと実習している意味は本当にないと思う。実習は最低限乗り越えてかえって座学なんてことのないようにしなきゃね。