抗菌薬 15ヶ条
1.抗菌薬は体内だけでなく院内の環境を変える力がある
2.投薬前に、どの臓器でなんの菌なのか理解する
3.特定部位には特定の菌が住む。住む場所で投薬日程が変わる。
4.CRPや白血球に頼らない。感染臓器ごとのパラメーターを設定する
5.培養結果を信用する前に、検体の信頼度を確認する。
6.嫌気性菌は培養ででなくても、疑ったら治療。他の好気性菌と複合していることが多い。
7.市中感染か院内感染か
8.かならず十分量を投与する。
9.MICだけで判断しない。薬の組織移行性も考えて。
10.重症感染症を疑ったら広域抗菌薬を迷わず投与
11.原因菌がわかったら、すぐに広域→狭域
12.予防投与は厳格に
13.外来患者の服薬コンプライアンス
14.患者にも手指衛生の啓発を
15.血中濃度が高いほどよい抗菌薬。MICを越える薬剤濃度が保たれている時間が長いほどよい抗菌薬。を理解する
学生から医者への意識変化
腫瘍血液内科 一週目最終日
鈴宮先生のレクチャーより。
「とか」って言葉を使うな。曖昧な言葉を使う医者が信用されるわけがない。
その人の体という一番大事なものについて話しているとき、ましてや生きるか死ぬかという状況を扱うときに、曖昧な言葉は使っちゃいけない。
明確にした基準を勉強して、その上で患者さんと話しなさい。
薬何グラムいれる? 500mgとかかな?なんてありえんだろう。適当な知識で答えるよりかは、何も知らない方がましだ。
診察をする。ということは病名をつけるということだ。けっしてOSCEのまねをすることじゃない。
どこでなにが起こってそれでどうなっているのか。臓器と病態を特定する理屈を考える。その理屈が通ってるのかを、問診やら身体診察やら、その他検査で理屈を確認していくんだ。自分の中で理屈が通ってないことをするな。
この臓器ならこういう症状がでる。この症状ならこんな病態が考えられる。というのをたくさん勉強して覚えていかなくちゃいけない。
今まで勉強した数値や症状をもっとリアルに感じなさい。呼吸数20回かぁ~じゃなくて。3秒に1回息してみろ、しんどいぞ。これで患者の様子を考えられないような医者になるな。
先生がやってるような素早い最低限のスクリーニング身体診察じゃなくて、臆することなく最大限に時間を使って診察をおこないなさい。ていねいに、時間をかけて。教育機関として同意をもらってるんだから、一人の患者さんからたくさんのことを学ばないといけない。
こういうときは血培とる。この人にはステロイド入れる。などのただの知識をリアルに落とし込んでほしい。血培はどうやってとるの?何個とるの?ステロイドはどんな方法でどの量をいれるの?って勉強しながら実習を回ってね。
なんでこの診察をしたのか。この診察の特異度や感度は?って考えながらやるのが大事だよ。
患者さんと対峙したとき、医者は必ず「治す」ことを考えてね。
当たり前のことだと思うけど、患者さんが治療拒否したからといって簡単にそうですかなんて言ってはいけない。治せる可能性があるのなら、治していきましょうという風に患者さんを持って行ってあげることも大切なんだ。
85歳だし、この病気治すのは大変だし、本人も治す気ないからいいや。じゃない。
この病気を治さなければどういう苦しみかたで死ぬのか。治ったらあと何年生きることができるのか。こういうのが想像できるのも医者なんだから、患者があきらめたからって簡単に医者があきらめていいわけがない。
自分のことだったら必死こいて文献漁ったり、病気に詳しい病院の先生に電話したり色々するだろ?同じ事をちゃんとやるんだ。
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医学生って本当に知識だけ(ないことのほうが多い)の人が多いし、実際に人と関わらないと実習している意味は本当にないと思う。実習は最低限乗り越えてかえって座学なんてことのないようにしなきゃね。
3クール目 眼科
細隙灯顕微鏡で角膜、前房、虹彩、水晶体を確認
眼底写真をとってみる
とてもぷりっぷりで若い眼底らしい笑
外来診療では緑内障の患者さんの経過を見た
トラベクレクトミーは眼圧を物凄く下げたい時(一桁まで)
トラベクロトミーは少し下げたい時
眼圧は下げたいけど下げすぎると脈絡膜剥離など合併症起きるから、慎重に考えたい。
チューブシャントを入れたりすることもある。
白内障の手術によって原発閉塞隅角緑内障は治療出来るから、一緒にやることも多い。
水晶体の厚さが薄くなり、隅角が開放される。
外来診療は次から次へと患者さんがくる。
網膜剥離が若干いる
視力検査はやり方を教えてもらった
適当に言って当たっても、3/5当てなくちゃいけないらしい
眼科はやっぱり日中はめちゃくちゃ忙しい。
そのかわり緊急オペとかはないからメリハリはついている科だと思う。
2クール目 脳外科
脳神経外科は① 脳血管障害(脳卒中)② 脳腫瘍③ 頭部外傷④ 脊椎・脊髄⑤ 中枢神経形成不全⑥ 機能的神経疾患など、脳神経外科がカバーする範囲は多岐におよぶ。
そのため、脳神経外科は手術において、カテーテルも直達手術も自分たちで行える数少ない診療科であるとのこと。
顕微鏡を使った手術はとても繊細で、画面に映る術野と実際の術野との大きさの差がとてつもなかった。
緊急手術における開頭術での、ドリルや鋸を使って頭蓋骨を開ける作業は迫力がすごく、人間ってこういうことをしても全然死なないんだなと思った。
脳の中の血管走行はとても緻密で、しっかり解剖を理解していないと手術は進められない。
解剖の大切さを身にしみた。
CEAではプラークたくさんとれたし、慢性硬膜下血腫では血がどばっと出てきたし、急性硬膜下血腫の開頭は迫力あった。
脳外科は単純にすごかった。
いつも結果を出す人のアウトプット習慣
アウトプットが大切だとよく叫ばれていますので、アウトプットとは何だろうと思って本を一つ取りました。
藤由達藏さんが書いたこの本には、アウトプットのメリット、大切さ、どういう意識でアウトプットをすればいいかなどたくさん書いてありました。
本の中で一貫して書かれていたのは、活かすことを目的に学ばないといけないということです。
まず何がしたいのかを考え、それの実現のために学ぶ。
抽象的にではなく、具体的に何がしたいのかを考えることが大切で、且つそれは自分の直感にしたがって一番ワクワクするものであるべきだということでした。
普段から自分の心に質問します。生まれてきた意味は何か?自分の使命とは何か?生きがいとは何か?
それを常に考えていることで自分の幸せの判断基準に気づくことができます。
そして幸せとは何かが見つかると、自分にとって最も心が躍る未来が想像できます。(さらにその幸せをより多くの人が享受できる未来像があれば、もっと心が躍るはずです)
得られた未来像に向かって逆算して、今なすべきことを考える。具体的に。
そして、アウトプットとは、その未来を現実にするための、とても効率の良い方法でした。
そもそも得られた知識を身につけるために、人に話したりノートに書いたりすることは、脳科学的にも効果が出ると実証されています。一番のメリットは、仲間が作れるというところです。
人に話せばその人は何かしら変わります。そして離された人がまた違う人に話すことで変化は連続していきます。より多くの人に伝われば、その分多くの人に変化があるはずです。そうして自分の周りには自分の発信によって変化された人が多くなります。
人間何かをしようとすると1人では無理なことがほとんどです。1人で苦労して頑張るよりも、みんなで協力して楽しむという気持ちの方が大事です。
そのみんなというのは、やはりアウトプットで作っていくしかありません。
文字に書く、人に伝える、ブログで発信するなど、いろんな方法があります。
アウトプットをする以外にも、常に楽しく幸せに自己実現をするマインドセットをこの本には書かれています。
自分に質問することでやりたいことを考える
常に余裕を持つ
直感でチャンスを逃がさない
色々なことが大事だなと思いました。
Non Technical Skill 医学生へ
ERは局所的なチーム医療の最たるものです。その場にいる人全員が上手く連携して診断・治療を進めていかなければなりません。チームとして機能するためには
①リーダー(コマンダー)を明確にすること
②情報を常にチーム全員が共有すること
が、とても大事です。
スムーズに治療を進めて行くためには、全員が治療戦略を理解していなければなりません。患者の安定というゴールに向かう1つの道筋を全員がわかってるからこそ、その時必要な仕事を振り分けることができます。
①リーダーを決めるのは、戦略決定は1人が行う必要があるからです。常に状況は変わるので、戦略も常に変わります。それぞれがバラバラのゴールを見ていると、やるべきことが抜ける、被る、タイミングがずれるなどします。
②が同様に大事なのは、リーダーの戦略決定に情報が大量に必要であるからです。そして役割分担が明確にされていて、かつそれが上手く機能していることを確認するためです。
細かくいうと、ルートをとる役割の人が「ルート確保しました!」と宣言することも情報共有です。チームはルートを取れたことを確認することができ、他の人はもうルートは取らなくていいとわかり、リーダーはルートが取れている上での戦略を考えることができます。
患者についての情報はもちろん、自分がやろうとしていること、した事も共有する貴重な情報です。
この2つはERのような切迫した状況だけではなく、どんな状況におけるチームプレイでも必要なものです。
医師になる以上、医療行為のリーダーになる事は不可避です。1人の患者さんを回復させるというゴールに向かって、あらゆる職種と上手く連携をとるためにはNon Technical skillが重要になります。
ACSのときのようによく顔を合わせていて、チームプレイを練習しているわけでもないので、実はこっちの方が難しいかもしれません。
チームメンバーから上手く情報を教えてもらう能力、情報をまとめる能力、そして伝えて共有する能力が医師に求められています。
俺についていけ!というタイプでは上手くいきません。どのように人と関わっていけばいいのか、少人数で長い期間一緒にチームを組むポリクリという実習を通して、意識して身につけていくのが大切です。
1クール目 救急 ACS
ポリクリ1クール目は救急とAcute care surgeryを回りました。
特にAcute care surgeryは外傷救急専門講座なのですが、日本でその講座が開かれている大学は島根大学だけで、2016年度からというとても新しい講座です。
救急の講座では、日勤または夜勤をし、患者さんがウォークインで来られたり、救急車で搬送された時にその時の対応を見学する形でした。
しかし、診療参加型臨床実習を目指す島根大学では、いきなりウォークインできた患者さんを対応して問診を取り、カルテに書き込むという経験をすることができました。
救急搬送されてきた患者さんには12誘導心電図を付けるなど簡単な作業しかできなかったですが。
ウォークインを対応した時に感じたことは、問診しながらカルテを書くことはものすごく難しいということです。
先生が付いてくれるので最後に先生にバトンタッチすることができましたが、できるはずのことをやり残したりと、とても後悔が残りました。
自分の無力さを痛感しました
どんなに勉強しても、いざというときに引っ張り出せないと、全く意味がないと思います。
アキュートでは、実際の症例データを入れた人形を使ってチームで初期対応をする練習をしていました。
1週間という短い時間でしたが、何度もチーム練習を繰り返すことは今後のポリクリでとても役立つと思いました。
最後の模擬テストでは、先生に教えてもらいながらではなく自分たちだけで人形を助けるというテストでした。
最終的に救命には成功しましたが、何度もつまずき何度もつまりとても悔いの残るテストでした。
たくさんポリクリを回って、最後に救急とACを回れば上手くできたのかなとも思います。
しかし、ここで失敗すること、勉強しなければ命は救えないとしっかりと感じることは今後のポリクリ生活に向けてとても力になるものだと思います。また初めて顔を合わす人同士でチームを組んだ、ポリクリ班ですがこの模擬テストを通して、チームの絆が深まったと思うので、それも良かったと思います。
この1年間、死ぬ気で学ばないといけないなと再確認しました。